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産学官一体のキャリア教育を~大人から子へ成長の刺激を~

2009年11月20日

<2008年8月28日 琉球新報朝刊/論壇に掲載されたものをブログにアップしました>

今年の夏は甲子園だけでなくオリンピックもありました。人と人とが繰り広げる息詰まる真剣勝負、想像をはるかに超えた新記録の誕生。そんな瞬間にめぐり合うたび、人間の持っている力に無限の可能性を感じ、厳しさと優しさを持って
人を育てることの大切さに気づかされるものです。

選手達は大きな舞台に立つためライバルにも臆することなく、自分の限界を超えて血の滲むような努力をしてきたのではないでしょうか。そしてその中でも大活躍を見せた選手達には、①若いうちに熱中できる何かを見つけたこと②良き指導者に巡りあったこと③良い環境があったこと、という共通点があったように感じます。

「経済学の巨人」と評されたジョン・ゲネス・ガルブレイスは著書で「教育の目的」について述べています。そのひとつに「人生を満喫するために色々な可能性の扉を開けてあげること」とあります。先のふたつの話を私なりの自論も加えて要約すると「人は無理に育てようとしても育たない。何かひとつ興味を持てば自ずと成長しようとする。地域社会が協力して興味を引き出す数多くの刺激を与え、自ら成長することをフォローする仕組みづくりが大切である」です。
 
沖縄の地域社会を刺激の一要素である情報という側面から分析しますと、自然に入ってくるPUSH型が少なく、自ら取りに行く必要があるPULL型が多いという現実があります。賛否両論ありますが東京を例にとると電車・車・足というどの移動手段を使っても情報というシャワーを無意識に浴びて常に刺激を受けています。一方、沖縄では車に乗った場合、同窓会の横断幕や選挙のポスターを沿道に見かける程度で自然に得られる情報という刺激は圧倒的に少ないと感じます。

では、どうすれば沖縄の子供達に多くの刺激を与えることができるのでしょうか。私は沖縄型の解決策として「第一線で活躍するより多くの大人が子供に関わる」ということが大切だと考えます。県では以前からインターンシップ、昨年からジョブシャドーイングなどに取り組んでいますが、産学官の積極的な連携および地域社会全体におけるキャリア教育のイメージ共有ができていないのではないでしょうか。その原因を考えた時、キャリア教育という語句の響きから産学官とも難しく考えすぎ完璧を求めすぎていてその本質を見失っているように感じます。

沖縄県は芸能もスポーツも世界に通用する人材を多く輩出するようになりました。ゴルフ場の若年層への開放はそのきっかけとして象徴的です。大人のゴルフを子供に開放し企業を含めた地域社会が出来る範囲で協力するという理想モデルがすでにあるのです。
 
中小企業が多い沖縄。「人員の関係で3日は難しいが、社長の話なら協力できる」で良いのです。難しく考えず出来る範囲でシンプルに。より多くの大人が子供との関わりを。

産学官一体のキャリア教育を~大人から子へ成長の刺激を~

<沖縄県ホテル観光業界合同企業説明会にて キャリアデザイン論の土井久太郎先生と>

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Posted by 白井 旬 at 2009年11月20日 05:55Comments(0)キャリア教育・就職支援・人材育成
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