シュリーマンの 「まちづくり・ひとづくり・ものづくり」ブログ・・・

前回のその９で、白井が考えるシューカツ（就活）の定義

無料で誰にも警戒されず
① 企業間をはじめとする世の中（＝社会）の仕組みを理解する期間。
② 自分自身の人間性を理解し社会人として必要な基礎体力をつける期間。
③ 自分自身と社会の輝かしい未来を切り開くための道しるべとなる
　　Vision（理念）とMission（使命）を考えぬく期間。　　　

のうち「 ② 自分自身の人間性を理解し社会人として必要な基礎体力をつける期間」の導入編として「製品と商品は違う」「必ずしも良い製品＝売れる商品ではない」という社会の原理・原則について触れ、自分という「製品」をシューカツ（就活）で「商品化」するという概念的な話をしました。


本来であれば今回からは
自分という「製品」を「商品化」する
実践編（履歴書・ＥＳ・ＳＰＩ２など）として
３～５回続けて書こうと思っていましたが、
今回は区切りの第１０回になりますので、
少し趣向を変えてみなさまが興味のある
「採用する側の気持ち」をお伝えしようと思います。
（※すべての企業には当てはまらないので、ご注意を）





まず企業側からすれば、
不条理が許されるというのが採用です。
これをきちんと理解してください。

たとえば１０人採用する場合
最終選考の結果、採用基準に達しているのが
全員女性だったら（あるいは男性だったら）
どうなるでしょう。

絶対評価の検定試験だったら
合格者全員が女性だから（あるいは男性だから）
調整しようとはならないですよね。

しかしながらです。
よほどの事情が無い限り、
最終的にはバランスを考えて
７～８名は女性（あるいはその逆）
２～３名を男性（あるいはその逆）
といった具合に調整をして
内定を出すことになります。

さらに加えて
場合によって縁故入社組もいますから、
持てる者と持たざる者の不条理が発生します。

採用基準をクリアしてはいるのですが
弾き出されてしまった方々には苦渋の通達
「残念ながらご縁が無かったということで・・・」となります。

これが景気の良い時だったら、
１０名に加えて２～３名を追加で多く採用したい。という
こともありますが、現在の状況ではなかなか難しいものです。
（※急成長中のベンチャー企業であれば可能性はあります）





さらに採用を出すまでのいくつかの選考を考えると
履歴書・ＥＳ（エントリーシート）・ＳＰＩ２などの筆記系。と
一次～三次ぐらいまでのグループ面接や個人面接・ディベートなどは、
「会社の基準に満たない人」をふるいにかける（言わば落とす）選考です。

それをクリアした後の
役員面接・最終面接段階になると
おおよその基準をクリアしているのですから、
極論を言えば誰を採用してもほぼ間違いないのです。
よってこの段階では「光り輝く、是非、欲しい人材」を通す選考となります。

もちろん会社によって、一次面接でいきなり社長が出てきたり、
人によって面接が１回だったり３回だったりもしますので、
様々なパターンが存在しますが、概ね、上記の流れになるでしょう。

また採用年度によって、
採用したい人材のイメージを変える会社もあります。
それはなぜかというと、世の中の状況や会社の業績によって
欲しい人材が刻々と変化する場合があるからです。
ですから採用する年によっては、
同じ実力でも採用する・しないが存在します。

さらに他社で内定が出ている人は
「うちも通しておこう」となるのが心情ですし
１社でも内定をもらった人は、心に余裕が出ますので
結果的として「光り輝く、是非、欲しい人材」に見える可能性が高まります。


どうですか？
予想していたより不条理でしたか？


この不条理を理解して「シューカツ（就活）」するのと、
知らずに「シューカツ（就活）」するのとでは、心持ちが変わってきます。

この厳しい時代に
あまりにも楽観的なのは困りますが、
数十社落ちたぐらいで一喜一憂していては
体よりも先に、心が破綻を来たす恐れがあります。

「ご縁が無かった・・・」 この一言を聞いたら、
少し分析をした後に、気持ちを切り替えて、次へ向かいましょう。



＜つづく＞



＜関連ブログ＞

・「移り気」と「飽きっぽい」の違い？（2010年01月31日）

・シリーズ　－　シューカツ（就活）について考える