情報に関する量と質の違い-その1- (学生Q&A-No3)
2009年12月19日
講義で寄せられた質問等が多くありますが、
残念ながら時間内で回答できなかったものもあります。
そういったものを当ブログで回答してまいります。
Q3:白井さんは、長年沖縄の人材育成に力を注いでおられると思うのですが、他府県の人と比べて、沖縄の人の良い面と悪い面は何でしょうか。今後沖縄を盛り上げていくべき若い世代へのアドバイスとなるのではないかと思い、ぜひ聞いてみたいです。
A3:
沖縄の人の良い面と悪い面に関する質問ですが、回答の大前提として、沖縄の方々は「ともかく沖縄を好きすぎる」ということがあるのではないか?と思います。
7年前に沖縄にはじめて来た時に驚いたことが2点あります。
ひとつには、日刊新聞が琉球新報と沖縄タイムスしかなかったこと。(最近は日本経済新聞もあり)ふたつに、その新聞の中に「県系3世の○○さんが大活躍」といった記載があったこと。
私は兵庫県出身です。生後間もなく山口県・下関市に移り住み、小学校4年生1学期末まで過ごしました。その後は小学校4年の2学期より28歳まで兵庫県・神戸市。28歳~32歳まで東京都・江東区です。
山口県にも山口新聞、兵庫県でも神戸新聞があるようにローカル紙はありますが、
朝日・毎日・読売・産経・日経なども同時に見ることができます。
また「日系2世・3世」という表現は見たり・聞いたり・話したりはしますが、「県系2世・3世」は記憶にありません。
この独自のアイデンティティというか、沖縄を愛する心はとても素晴らしいことです。
「ともかく沖縄を好きすぎる」は時に爆発的な結束力や推進力を生み出します。
しかしその一方で「恋は盲目」ではないですが、「ともかく沖縄を好きすぎる」ことが災いして客観的な判断が出来なくなったり、チャンスを逃したりすることがあります。
まちづくりで大切な3つの「モノ」として「ワカモノ」×「ヨソモノ」×「バカモノ」という言葉があるように、ワカモノ=チャレンジする力、ヨソモノ=客観的な視野、バカモノ=好きであること。はとても重要です。これはまちづくりだけでなく、すべてのものに共通することだと思います。
あともうひとつ改善が必要だと思うのは「比較する」という習慣が根付いていないことでしょうか。テレビでよくある、近隣の都道府県同士で「うちの県は○○が良い」「そちらの県は△△じゃないか」=Aと比べてBは○○だ。というものです。
私が育った神戸でも京都・大阪・神戸を表す言葉として京都は「着だおれ」、大阪は「食いだおれ」、神戸は「履きだおれ」があります。
この比較するという行為は、自分と比較対象をきちんと理解できていないと出来ませんし、同じ比較するにしても単なる情報だけでなく、実体験があると説得力を増します。
沖縄県は地理的に接する都道府県が無いために、他府県に比べるとそういったことを体験しずらい様に思います。この理的な特徴は、独自の文化を育む上で大きな役割を果たしてきたと考えられますし、またそれが観光産業にとっては非日常という大きな武器となっていることも事実です。
しかしながら、今後の沖縄を考えると・・・
「ともかく沖縄を好きすぎる」こと。
他府県と地理的に接していないこと。
のメリット・デメリットをきちんと理解して、メリットはより効果的に、デメリットは少しずつ改善していく必要があると感じます。
<←学生Q&A-No1・2へ> <学生Q&A-No4・5へ→>
残念ながら時間内で回答できなかったものもあります。
そういったものを当ブログで回答してまいります。
Q3:白井さんは、長年沖縄の人材育成に力を注いでおられると思うのですが、他府県の人と比べて、沖縄の人の良い面と悪い面は何でしょうか。今後沖縄を盛り上げていくべき若い世代へのアドバイスとなるのではないかと思い、ぜひ聞いてみたいです。
A3:
沖縄の人の良い面と悪い面に関する質問ですが、回答の大前提として、沖縄の方々は「ともかく沖縄を好きすぎる」ということがあるのではないか?と思います。
7年前に沖縄にはじめて来た時に驚いたことが2点あります。
ひとつには、日刊新聞が琉球新報と沖縄タイムスしかなかったこと。(最近は日本経済新聞もあり)ふたつに、その新聞の中に「県系3世の○○さんが大活躍」といった記載があったこと。
私は兵庫県出身です。生後間もなく山口県・下関市に移り住み、小学校4年生1学期末まで過ごしました。その後は小学校4年の2学期より28歳まで兵庫県・神戸市。28歳~32歳まで東京都・江東区です。
山口県にも山口新聞、兵庫県でも神戸新聞があるようにローカル紙はありますが、
朝日・毎日・読売・産経・日経なども同時に見ることができます。
また「日系2世・3世」という表現は見たり・聞いたり・話したりはしますが、「県系2世・3世」は記憶にありません。
この独自のアイデンティティというか、沖縄を愛する心はとても素晴らしいことです。
「ともかく沖縄を好きすぎる」は時に爆発的な結束力や推進力を生み出します。
しかしその一方で「恋は盲目」ではないですが、「ともかく沖縄を好きすぎる」ことが災いして客観的な判断が出来なくなったり、チャンスを逃したりすることがあります。
まちづくりで大切な3つの「モノ」として「ワカモノ」×「ヨソモノ」×「バカモノ」という言葉があるように、ワカモノ=チャレンジする力、ヨソモノ=客観的な視野、バカモノ=好きであること。はとても重要です。これはまちづくりだけでなく、すべてのものに共通することだと思います。
あともうひとつ改善が必要だと思うのは「比較する」という習慣が根付いていないことでしょうか。テレビでよくある、近隣の都道府県同士で「うちの県は○○が良い」「そちらの県は△△じゃないか」=Aと比べてBは○○だ。というものです。
私が育った神戸でも京都・大阪・神戸を表す言葉として京都は「着だおれ」、大阪は「食いだおれ」、神戸は「履きだおれ」があります。
この比較するという行為は、自分と比較対象をきちんと理解できていないと出来ませんし、同じ比較するにしても単なる情報だけでなく、実体験があると説得力を増します。
沖縄県は地理的に接する都道府県が無いために、他府県に比べるとそういったことを体験しずらい様に思います。この理的な特徴は、独自の文化を育む上で大きな役割を果たしてきたと考えられますし、またそれが観光産業にとっては非日常という大きな武器となっていることも事実です。
しかしながら、今後の沖縄を考えると・・・
「ともかく沖縄を好きすぎる」こと。
他府県と地理的に接していないこと。
のメリット・デメリットをきちんと理解して、メリットはより効果的に、デメリットは少しずつ改善していく必要があると感じます。
<←学生Q&A-No1・2へ> <学生Q&A-No4・5へ→>
Posted by 白井 旬 at 2009年12月19日 07:55Comments(0)
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