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ライフデザインとキャリアデザインとワークデザイン(その2)

2011年10月12日

ライフデザインとキャリアデザインとワークデザイン「沖縄の学生さん!シューカツ(就活)は、おやめなさい?」(第1章-002)

ここ沖縄も少しずつ秋の風、肌寒くなってきました。来週は東京出張・・・聞くところによると寒いらしいので、体調管理には気を付けたいところです。

前回の第1章-001では、「自分らしく生きる」「自分の意志で選択していく」ということに主眼に置いた「ライフデザイン」(=生き方)について少しお話しました。

この「自分らしく生きる」については、「何をもって幸せとするか?」と同じように、十人いれば十人いただけの価値観や判断基準があるかと思いますが、この「自分らしく」が、自然に、かつ常に達成できているという方は、この現代社会においては、意外にも少ないのかもしれません。

どこかで何かを我慢していたり、社会性という言葉の中で個性を抑えていたり、本当に今のままで良いのかと疑問に感じるなど、誰もが一度は経験するような、人生の大きなテーマなのかもしれません。この点については、今後、みなさまのご意見を聞きながら、少しずつ深く掘り下げていければと思っています。

さて、今回の第1章-002は、ライフデザインとキャリアデザインとワークデザインの中の「キャリアデザイン」について考えていきたいと思います。

この「キャリアデザイン」という言葉ですが、学校教育や企業人事の現場として、意味を広義に捉えすぎて曖昧になっている。あるいは狭義に捉えすぎて窮屈になっている。といった現状があり、実のところ「明確な定義を持てずにいる」というのが本音ではないでしょうか。それは「キャリア」という言葉自体が「ライフ」に比べると、日本語で直接的かつ端的に説明しにくいというのも、そのひとつの理由かもしれません。

例えば、厚生労働省・ホームページでは「キャリアとは、一般に経歴・経験・発展、さらには関連した職務の連鎖等と表現され、時間的持続性ないしは継続性を持った概念とされています。キャリアを積んだ結果として、職業能力が蓄積されていくものです」と定義されています。

また、CDA=キャリア・デペロップメント・アドバイザー資格を推進・運営している日本マンパワー社によれば、「キャリアとは、環境との相互作用によって生涯を通じて個人が構築し、個人により意味付けされたもの」と定義されています。
そのほか、多くの機関・団体あるいは企業・学校などで、「キャリア」について多く定義されていますが、そのいずれもが長文傾向にあります。それだけ端的な表現に苦慮しているといった感が見て取れ、それだけ定義が難しいのかもしれません。

しかしながら、多くの「キャリア」に関する定義を読み解いていくと、おおよそ共通する表現があり、それらは大きくわけて3つの言葉に分類することができます。それは「継続性・持続性」「構築・蓄積」「個人・内面」です。そして、この3つの言葉自体の意味を考え、理解を深め、そして自分の中で消化しようする行動こそが、自身の「キャリア」に対する定義づけを促進することに繋がると言えます。

第一の「継続性・持続性」ですが、これは「キャリア」の語源が「轍(わだち)」ということからも、継続した(持続した)一本の線(馬車の場合は2本の線ですが)をイメージするのは難しくないと考えます。しかしながら、ここでいう「継続性・持続性」とは、同じ企業で継続して働いている。とか、同じ職種で能力を発揮し続けている。という狭義の意味では決してありません。これは、たとえ異なる業種・業界へ転職したとしても、前職で得た知識や経験を、新しい仕事や社会で活用できているか。ということを意味しています。つまりは、馬を乗り換えたり(職種・業種が変わったり)、違う道を選んだり(業界が変わったり)しても、馬車そのもの(本人)が作る「轍(わだち)」が、一本の線で繋がっているかどうかということです。

ここで、分かり易い事例として、私自身の「継続性・持続性」挙げてみます。

※大学を卒業して旅行会社に入社。7年間の勤務の中で、接客販売、経理財務、社員教育、仕入手配、広報企画などを担当。

※IT系ベンチャー企業に転職。転職先は、旅行会社・ホテルの業務システムを開発・販売・サポートする会社。7年間の勤務の中で、コンサルティング営業、システム導入研修、開発要件提議、支店長業務(人事採用・労務管理・経理財務)、観光人材育成(公的機関よりの業務委託)などを担当。

※人材育成・地域活性化のNPO法人を設立。IT系ベンチャー企業が倒産するも、観光・ITの人材育成を中心としたNPO法人の設立に参画し、主に人材育成カリキュラムの企画・実施と経理・財務を担当。同時に県の外郭団体に勤務し、主に離島を中心とした地域活性化事業に従事し、主にコンサルティングを担当。

上記の例では、特に、旅行会社からIT系ベンチャー企業へ転職した際を見ていきます。この場合、一見すると、全く違う業種・業界への転職となり「キャリア」の「継続性・持続性」が失われている。と判断しがちなのですが、ここでは、観光関連の業務システム会社への転職ということが、「継続性・持続性」の保持における大きなポイントとなります。

確かにIT関連の知識といえば、エクセルやワードぐらいで、専門的な知識はありませんでした。しかしながら、旅行会社やホテルにおける業務内容は、全般的に理解していましたし、業界の慣例で行われている業務が、時代と共に改善が必要になってきていることも肌で感じていました。これは、IT関連業務の知識はなくとも、観光関連業務の知恵はあった。という状態であり、まさしく「キャリア」における「継続性・持続性」が保持されているということがいえます。

その後、IT系ベンチャー企業が倒産した際にも、それまでの「継続性・持続性」を意識して活動した結果として、人材育成系のNPO法人の設立に参画させていただき、加えて、県の外郭団体で地域活性化支援の業務に携わらせていただくことができました。

これは、転職する際や倒産した際に「継続性・持続性」を意識して活動をしたということもありますが、「それよりも大きなポイントだった」と、今になって気付いたことがあります。それは、在職中に与えられた仕事は全力で取り組み続け、基礎となる実力をつけたうえで、新しい仕事に積極的にチャレンジしていったということです。

このような「働き方」を実践し続けた結果として、「キャリア」における「継続性・持続性」を保持する可能性が高まった。あるいは、選択するための範囲が広まった。ということがいえます。

人間誰しも、「好きな人たちと、好きな仕事を、好きなだけ出来る」ということが、理想的といえるのでしょうが、現実的には、そうはならない確率が高い(あるいは期間が長い)ことを、多くの方(特に社会人)が実感値として持っています。また、理想とは違う環境だからこそ、新たな展開が生まれた。という経験をされている方も多いと考えます。

そういった観点からも、沖縄県内の新卒学生(高卒・専門卒・大卒)が入社3年以内に会社を辞めている率が、実に6割にも及ぶということは、由々しき課題です。社会人として初めて入った会社や職業で「好きな人たちと、好きな仕事を、好きなだけ出来る」といった理想を追求しすぎるのは、個人の将来としても、社会全体の利益としても、弊害を生む可能性が高いといえます。

<第1章-003につづく> 

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